自転車で行ってきた。

過去訪れたあちこちのことなどを、備忘録的に書いていきます。

(2019.3.22)山陰遠征4日目、アップダウンの果てに温泉津を目指し! その②

曲がりくねった道を越え、ついに到着した温泉津界隈の様子を紹介していきたいと思います!

 

この日は快調に飛ばすことができたのもあり、温泉津に到着した時点で時刻はまだ午後三時。

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 (温泉津の入口にて。ちなみに話がやや脱線しますが、山陰ではあちこちでこのようなオレンジ色の瓦を見ることができます。これは石見地方特産の日本三大瓦の1つ、「石州瓦」というもので、独特のオレンジ色はこの地方の「来待石(きまちいし)」を釉薬にすることで作り出されるのだとか)

(恥ずかしながら私は、山陰に来るまで「石州瓦」というものがあることすら知りませんでした。旅をしていると予想もしなかった新しい知識を得ることがありますが、これも旅の醍醐味の1つかもですね)

 

温泉津ではそこかしこで、この写真のような昔ながらの街並みを楽しむことができます。元々温泉津は約1300年前に開湯し、戦国時代には石見銀山の銀を積み出す港として繁栄した歴史ある場所。その鄙びた感じはまさに温泉街!! といった風情です。

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(現在の温泉津港から北に1.5kmほど行くと、戦国時代に石見銀山の銀を積み出していた沖泊という場所がありました)

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(現在は静かな漁港ですが、往時の繁栄を物語るように、港の周辺には"鼻ぐり岩"と呼ばれる船をつなぐためにくり貫いた岩が60基以上も残っています。ほかにも両脇の小高い丘を登れば、毛利氏がこの港を守るために築いた鵜丸城・櫛山城の遺構が残されているみたいです)

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(私は実物を見ることができませんでしたが、"鼻ぐり岩"とはこのようなものだそうです ※この写真は、鼻ぐり岩 - 石見銀山世界遺産センター(島根県大田市大森町) / Iwami Ginzan World Heritage Center(Shimane Pref, Japan)から引用しました)

 

こうして付近を軽く散策した後は温泉で汗を流そうと、中心部に戻って共同浴場へ。

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(温泉津の開湯は1300年前ですが、1872年の地震によって別の源泉からも温泉が湧き出たそうです。その新しい源泉を用いているこちらの「薬師湯」は、その由来から別名「震湯」とも呼ばれているのだとか。昭和29(1954)年に建てられた建物は、昭和レトロ感たっぷりで旅愁をかきたてられます)

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(ちなみにその隣には、大正8(1919)年に建築された旧館があります。こちらは現存する中では温泉津最古の温泉施設だそう。現在も、「震湯カフェ内蔵丞」という喫茶店として利用され続けています)

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(薬師湯は源泉100%かけ流しで、その泉質は日本温泉協会の審査でオール5を獲得するほどのものとなっています。良く分からないながら、温泉に入れば体の芯から温まり、1日走り続けた疲れも吹っ飛んでしまったように思います)

(風呂上りに2階に行けば、中心部に日当たりの良い休憩場所が。※ちなみに、ここだけでなく有料の休憩スポットもありました)

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(屋上からみた温泉街の街並み。正面に見える塔は薬師湯旧館のもので、銭湯として用いられていた当時はここから浴室の湯気を排気していたそうです)

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(薬師湯の向かいには、1300年以上前からこんこんとわき続けるもう一つの温泉が。室町時代、伊藤重佐という人物がここに浴槽を構えて湯治場を開いたことが、温泉津村誕生のきっかけになりました)

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(大通り沿いにある龍御前神社は、かつて北前船が温泉津に入港していたころ守り神として信仰を集めた由緒正しきお社です。出雲が近いこともあり、しめ縄などは出雲大社の影響をうかがうことができます)

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(お宿は素泊まりでお願いしていたため、通り沿いの古民家改修のお店で夕食を)

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(こうして温泉津でのんびり過ごしたことで、ここまでの旅の疲れも吹き飛びました!!)



さて、この日宿泊したのは薬師湯の正面にある「旅館後楽」。昭和4年創業の老舗旅館は、落ち着きのある和室と薬師湯から引いた源泉かけ流しの温泉がステキな感じです。

私は世代ではないですが、なんでも男はつらいよシリーズの1つ、「寅次郎恋やつれ」は温泉津が舞台で、その収録の際に渥美清さんはこのお宿に宿泊していたのだとか。館内には渥美清さん関連の品が展示されていたりして、ファンの方が足を運ぶこともあるみたいですね。

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(そろそろ疲れもたまる頃と予測して、少々奮発したお部屋は1人だと広すぎると感じるほど)

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(広縁で、萩で買い込んだお酒をちびちびと一杯。のんびり過ごして翌日に備えて鋭気を養います)

www.ryokan-kouraku.com(ちなみにこちら、1泊2食付きだと12,600円から。素泊まりだと8,540円となっていました~)

 

 こうして盛りだくさんの山陰遠征4日目も、なんやかんやで無事走り切ることができました!

 

天気予報を見てみると、残念ながら翌日は終日雨が降りそうな感じ。10年前ならいざ知らず、今はできれば雨の中走るのは避けたいところです。

と、いうわけで翌日は、自転車を使わずに世界遺産・石見銀山関連の関連施設を見学することに。こちらもまたまた見どころだらけだったのですが、その模様は次回で紹介していきたいと思います!!

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