自転車で行ってきた。

過去訪れたあちこちのことなどを、備忘録的に書いていきます。

(2009.3.28~29)人は草のみにて生くるものに非ず…

朝、寝袋越しに聞こえる風の音で目を覚ます。

 

3月29日の朝4時頃、寒さに震えながら寝袋からはいずり出る。

普段ならこんな時間はまだまだ寝ている時間だが、今日はこれから朝食のネタを調達しなければならない。

 

と、いうわけで再び岩浜に出て釣りを開始。

5時過ぎ頃から、付近の猟師さんたちも次々に漁に向かっていく。猟師さんたちの船団が掲げる色とりどりの大漁旗を見ていると、その勇壮さにこちらまでテンションが上がってくるよう。

 

しかし…まったく魚が釣れない。

どうやら魚群がまったく付近にいないようで、昨日あれだけ釣れたドッコは勿論、それ以外もかからない(それはもう、せめて長靴くらいは釣れて欲しいってくらいに)。

ならばと場所を移しても状況は変化せず。

 

そしてついに10時頃、しびれを切らして方針転換。

とにかく腹に入れば何でもいいと、野草を摘んで食べることに。そのため、野人君が持ってきた野草事典を片手にそこらで採集にいそしむ。

 

この時、意外とおいしかったのが野蒜〔のびる〕。小さくて腹は膨れないけれど、根元の肥大した部分はシャキシャキしていてたまねぎに近い食感がある。海水で泥を落とし、根っこをとってから食べるとうっすら塩味もついていい感じ。こうして野蒜を見つけては口に入れつつ、食べられそうな野草を探していく。

 

けれど、なかなかそう簡単に食べられる草は見つからず。

2時間くらい探しても、野蒜を除けばドクダミくらいしか摘むことができなかった。それでも空腹が頂点に達していた自分たちは、文字通り背に腹は変えられないとドクダミを食すことに。岩浜に打ち捨てられていたアルマイトの鍋をきれいに洗い、これをかまどに据え付けてアク抜きを試みる。

 

しかし火の勢いが足りないのか、はたまたかまどの設営が悪いのか、まったく水が沸騰しない。そのため、アク抜きは一向にはかどらず。ままよととにかくドクダミを食べてみても、ひたすらに苦くとても食べられたもんじゃない…

 

正午をまわる頃には、3人とも空腹とドクダミによるむかつきのせいで岩の陰で青息吐息。このままじゃダメだと改めて岩浜に出ても、魚は影も形も見えない状態。

 

キツいなー、と思っている時に悪いことは重なるもので。

実際のところ自分が悪いのだけど、バイト先からの電話でバイトを休む伝達がされていなかったことが発覚。明日の朝勤に間に合うように帰らなくてはいけなくなってしまった…

ここで自分はリタイア宣言。ほかの2人も、自分たちだけで残るのもなんだしと帰ることに。

 

疲労感と2人に対する申し訳なさもあり、黙々と撤収準備を進めていく。2人は逆に、ここで終わりにするくらいで丁度良かったとフォローしてくれる(ホント申し訳なかったです)。

そんな風に気遣ってもらいながら落ち込んでも仕方がないと切り替えて、帰りは鎌倉から多摩丘陵を越えて府中まで帰っていった。

 

こうして食料現地調達の旅は、ドクダミの苦さと自分のミスで1日たらずで終わりを迎えてしまった。けれど、今思い出してもこの時の胸のムカツキは強烈に覚えているので、ある意味いい記念にはなったのかもしれない…

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これから先どんなに食べるものがなくなろうとも、野蒜はとにかくドクダミは食べることはないと思います(笑 それくらい不味かったです…

 

色々としんどくて、2日目は1枚も写真を撮っていませんでした。あのしんどさを思い返すと、確かに結果的には早めに切り上げられて良かったかもです。

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